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ARDSにおける副腎皮質ステロイド、神経筋遮断薬、吸入一酸化窒素の比較成績:システマティックレビューとネットワークメタ解析

Frontiers in medicine2025-02-18PubMed
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7

概要

26試験(5,071例)の統合解析で、ベクロニウムは28日死亡低下で最上位、デキサメタゾンは28日人工呼吸器離脱日数の増加と感染抑制で優位、iNOは有意な有益性を示さなかった。ARDS補助療法としてステロイドと選択的NMBAの有用性が支持された。

主要発見

  • ベクロニウムは28日死亡低下で最上位(SUCRA 96.6%、他治療との比較でOR 0.23–0.38)。
  • デキサメタゾンは28日人工呼吸器離脱日数を増加(従来治療・シサトラクリウムに比べMD約3.4–3.6日、SUCRA 93.2%)。
  • メチルプレドニゾロンはICU死亡予防で最上位(SUCRA 88.5%)。
  • 吸入一酸化窒素は明確な有益性を示さず、デキサメタゾンは新規感染リスクにおいて良好な安全性を示した。

臨床的意義

デキサメタゾンの早期投与で人工呼吸器離脱日数の改善を期待し、適切なARDS表現型では選択的NMBA(例:ベクロニウム)の使用を検討する。一方、死亡率改善が乏しいiNOの常用は避ける。

なぜ重要か

PROSPERO登録のネットワークメタ解析により、広く用いられるARDS補助療法の比較効果を明確化し、ガイドラインおよび臨床意思決定に資する。

限界

  • 試験デザイン、投与法、対象集団の不均一性がネットワークメタ解析の可遷移性仮定に影響し得る。
  • 一部比較で信頼区間が広く、個別患者データがないためサブグループ解析に限界がある。

今後の方向性

NMBA薬剤間および標準化したステロイドレジメンの直接比較RCT、表現型別の有益性を明確化する個別患者データメタ解析が望まれる。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 事前登録されたプロトコルに基づく臨床試験の体系的レビューとネットワークメタ解析
研究デザイン
OTHER