新生児・小児ARDSにおけるEITガイド下区域換気評価:前向き実現可能性研究
総合: 63.0革新性: 7インパクト: 6厳密性: 6引用可能性: 6
概要
ARDSまたは周産期肺疾患の新生児・小児26例(40回測定)で、EITに基づくPEEP設定は実施可能で、臨床設定やARDSnet推奨より低い傾向を示した。EITによる個別化PEEPは区域換気の最適化や人工呼吸器関連肺傷害(VILI)低減に寄与し得る(ECMO施行中も可能)。
主要発見
- ECMO施行中を含む新生児・小児26例(40回測定)でEITガイド下PEEP設定は実施可能かつ安全であった。
- EIT算出PEEPの中央値(11 mbar)は、臨床設定(11.5 mbar, p<0.001)およびARDSnet推奨(14 mbar, p=0.018)より低かった。
- nARDS/PLDではEIT-PEEPは臨床設定より3 mbar、ARDSnet推奨より11 mbar低かった。
臨床的意義
小児ARDSでは、ベッドサイドで過膨張と虚脱のバランスをとるため、EITガイド下のPEEP調整を検討しうる。ARDSnet表や従来設定より低いPEEPが示唆され、ECMO中でも適用可能である。
なぜ重要か
堅牢なモニタリング手段が乏しい新生児・小児ARDSにおいて、ベッドサイドEITによるPEEP個別化を前向きに裏付ける点が重要。
限界
- 単施設・小規模の実現可能性研究である
- 試験登録が追跡登録であり、臨床転帰に対する有効性を検出する設計ではない
今後の方向性
小児ARDSにおいて、EITガイド下PEEPと標準治療を比較する多施設ランダム化または適応的試験を実施し、VILIや臨床転帰を主要評価項目とする研究が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - EITガイド下PEEP調整を評価した前向き実現可能性コホート
- 研究デザイン
- OTHER