COVID-19 ARDSにおけるイマチニブの疾病-薬物-薬物相互作用:プール母集団薬物動態解析
総合: 68.5革新性: 7インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 7
概要
COVID-19および腫瘍コホートを統合した母集団PK解析により、ICUのCOVID-19患者ではAAG高値にもかかわらず、IL-6受容体阻害薬併用でイマチニブ非結合分画が上昇することが示されました。総濃度のみでは標的部位の曝露を過小・過大評価し得ることが示唆されます。
主要発見
- IL-6受容体阻害薬併用のICU COVID-19患者では、イマチニブ非結合分画がCML/GIST患者より有意に高値(4.66%対3.54%[1.08%–8.51%];p<0.001)でした。
- AAGが約2倍であっても、IL-6受容体阻害薬併用によりイマチニブの代謝と蛋白結合が変化しました。
- イマチニブなど高蛋白結合薬では、総血漿濃度が標的部位の非結合濃度を反映しない可能性があります。
臨床的意義
COVID-19関連ARDSでIL-6受容体阻害薬を併用する際は、非結合薬物モニタリングや総濃度の解釈調整を検討すべきです。ICUで用いる高蛋白結合薬全般にも注意が必要です。
なぜ重要か
重症病態での非結合曝露に影響する疾病–薬物–薬物相互作用を示し、総濃度に依拠した標準的TDMへの再考を促します。
限界
- 観察研究でコホートが不均質であり、因果関係は確立できません。
- 臨床転帰や用量調整への影響は前向きには評価されていません。
今後の方向性
非結合薬物の治療薬物モニタリングを組み込んだ前向き研究と臨床転帰評価、ICUで用いる他の高蛋白結合薬への一般化の検証が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- III - 無作為化のない観察コホートおよび母集団PK解析。
- 研究デザイン
- OTHER