全身性エリテマトーデスにおける肺病変の包括的リスク評価:韓国の大規模住民ベース縦断研究
総合: 62.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 5
概要
全国規模コホートで、SLE患者の肺病変リスクは9.3年の追跡で対照の約3.3倍であり、肺高血圧症と間質性肺疾患の過剰リスクが特に大きかった。ARDS/肺出血のリスクも上昇した(aHR 1.85)。
主要発見
- 全肺病変のリスクはSLEでaHR 3.26と有意に高かった。
- 最も高いリスクは肺高血圧症(aHR 14.66)と間質性肺疾患(aHR 9.58)。
- ARDS/肺出血(aHR 1.85)に加え、肺塞栓、胸膜疾患、結核、肺癌のリスクも上昇。
臨床的意義
SLEでは肺高血圧症と間質性肺疾患の積極的スクリーニングを行い、入院時にはARDS/肺出血への警戒を強める。リスク層別化は適時の専門紹介と介入に有用である。
なぜ重要か
SLEにおけるARDS/肺出血を含む集団レベルの肺リスクを定量化し、リウマチ科と呼吸器科双方のサーベイランス戦略に資するため。
限界
- レセプト定義による誤分類の可能性、画像やバイオマーカー等の臨床詳細が限られる。
- 薬剤使用や疾患活動性などの残余交絡は否定できない。
今後の方向性
臨床・画像データを統合したリスク予測の精緻化や、高リスクSLEサブグループに対する予防介入とスクリーニング間隔の検証が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 調整ハザード比を用いた大規模かつ質の高い観察コホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER