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全身性エリテマトーデスにおける肺病変の包括的リスク評価:韓国の大規模住民ベース縦断研究

RMD open2025-02-24PubMed
総合: 62.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 5

概要

全国規模コホートで、SLE患者の肺病変リスクは9.3年の追跡で対照の約3.3倍であり、肺高血圧症と間質性肺疾患の過剰リスクが特に大きかった。ARDS/肺出血のリスクも上昇した(aHR 1.85)。

主要発見

  • 全肺病変のリスクはSLEでaHR 3.26と有意に高かった。
  • 最も高いリスクは肺高血圧症(aHR 14.66)と間質性肺疾患(aHR 9.58)。
  • ARDS/肺出血(aHR 1.85)に加え、肺塞栓、胸膜疾患、結核、肺癌のリスクも上昇。

臨床的意義

SLEでは肺高血圧症と間質性肺疾患の積極的スクリーニングを行い、入院時にはARDS/肺出血への警戒を強める。リスク層別化は適時の専門紹介と介入に有用である。

なぜ重要か

SLEにおけるARDS/肺出血を含む集団レベルの肺リスクを定量化し、リウマチ科と呼吸器科双方のサーベイランス戦略に資するため。

限界

  • レセプト定義による誤分類の可能性、画像やバイオマーカー等の臨床詳細が限られる。
  • 薬剤使用や疾患活動性などの残余交絡は否定できない。

今後の方向性

臨床・画像データを統合したリスク予測の精緻化や、高リスクSLEサブグループに対する予防介入とスクリーニング間隔の検証が必要。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
II - 調整ハザード比を用いた大規模かつ質の高い観察コホート研究。
研究デザイン
OTHER