重症COVIDで使用された向精神病薬と退院後の中等度~重度呼吸困難との関連
総合: 61.0革新性: 6インパクト: 5厳密性: 7引用可能性: 5
概要
重症COVID-19生存者100例の前向きコホートで、制限的呼吸困難(mMRC>1)は1か月で57%、12か月で34%に認められた。入院中の抗精神病薬総投与量と併存症が1か月時点の独立因子であり、1か月の呼吸困難は12か月の持続と関連、持続例ではメンタルヘルス悪化、フレイル増加、QOL低下を示した。
主要発見
- 退院後の制限的呼吸困難(mMRC>1)は1か月で56.6%、12か月で33.9%に認めた。
- 入院中の抗精神病薬総投与量と既存の併存症が1か月時点の独立予測因子であった。
- 1か月の呼吸困難は12か月の持続を予測し、抑うつ・不安・フレイルの増大とQOL低下を伴った。
臨床的意義
重症COVID-19患者では可能な限り抗精神病薬曝露を最小化し、早期の呼吸困難を呈する患者に対し、標的化したリハビリおよびメンタルヘルス支援を行うべきである。
なぜ重要か
長期呼吸困難に結びつく修正可能な入院時曝露(抗精神病薬)を同定し、ICU薬物管理とポストCOVIDリハビリの重点化に資するため。
限界
- 単施設・症例数が限られ、12か月時点で37%の追跡失落がある
- 抗精神病薬使用に関する適応交絡の可能性
今後の方向性
ICUでの抗精神病薬曝露を減らす介入研究や、退院早期からの呼吸困難患者に対する無作為化リハビリ介入の検討が必要である。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 危険因子の多変量解析を備えた前向きコホート研究
- 研究デザイン
- OTHER