可溶性E-カドヘリンはVEGF/VEGFR2シグナルを介して急性肺障害の炎症に寄与する
総合: 70.0革新性: 8インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 6
概要
sE-cadherinはARDS患者およびLPS誘発マウスで上昇し、中和またはVEGF/VEGFR2阻害により肺炎症は軽減した。sE-cadherinがVEGF/VEGFR2経路を介してALI/ARDSの炎症を駆動する可能性が示され、治療標的となり得る。
主要発見
- sE-cadherinはARDS患者およびLPS曝露マウスで上昇した。
- 抗sE-cad抗体(DECMA-1)はin vivoでLPS誘発肺炎症を軽減した。
- 外因性sE-cadはヒトマクロファージのVEGF発現を亢進し、気管内投与は好中球浸潤とIL-6/IL-1β増加を誘導し、VEGF/VEGFR2阻害で抑制された。
臨床的意義
sE-cadherinはバイオマーカーおよび治療標的となり得る。sE-cadherinやVEGF/VEGFR2を阻害する戦略のトランスレーショナルな評価が望まれる。
なぜ重要か
上皮傷害から炎症増幅へと至る標的可能な経路(sE-cadherin→VEGF/VEGFR2)を、人・動物・in vitroの整合的データで示した。
限界
- 前臨床モデル(LPS)はヒトARDSの多様性を完全には再現しない可能性
- 患者サンプル規模や臨床転帰との相関は抄録で不明
今後の方向性
臨床ARDSコホートでの予後・セラノスティック指標としての検証と、抗sE-cadherinやVEGFR2阻害薬のトランスレーショナル/早期臨床試験での評価が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- IV - ヒトの症例対照型バイオマーカー比較に前臨床(in vivo/in vitro)実験を補完
- 研究デザイン
- OTHER