ラット急性肺障害モデルにおけるStratifin発現とプロテオーム変動の解析
総合: 67.0革新性: 7インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 6
概要
OA誘発ラットARDS/ALIモデルで、stratifin(14-3-3σ)はBALF・血清で上昇し、p53活性化を伴うⅡ型肺胞上皮細胞の一部に局在した。プロテオミクスでは早期に炎症/HIF-1が上昇し、48時間をピークとする細胞周期/p53活性化が持続し、SFNが修復期の肺胞再構築バイオマーカーとなり得ることが示唆された。
主要発見
- OA誘発肺障害後、BALFおよび血清のSFN濃度が上昇し、修復期まで持続した。
- プロテオミクスで3時間に炎症およびHIF-1シグナル蛋白が上昇し、その後低下した。
- SFNを含む細胞周期・p53経路蛋白は3時間から上昇し、48時間でピークに達した。
- SFNはp53活性化を伴う増殖Ⅱ型肺胞上皮細胞の一部に局在し、再構築への関与を支持した。
臨床的意義
SFNは障害から修復への移行を示す動的バイオマーカーとなり得て、ARDSにおける治療介入のタイミングや回復モニタリングに資する可能性がある。
なぜ重要か
多層的オミクスと組織学的検証により、特定蛋白(SFN)を肺障害・修復の時間相に結び付け、機序に根差したバイオマーカー候補を提示するため。
限界
- 動物のOAモデルはヒトARDSの不均一性を完全には再現しない可能性
- SFNを操作する介入がなく因果関係の検証が不十分
- サンプルサイズの記載なし;本研究内でのヒト検証がない
今後の方向性
ヒトARDSコホートでのSFN動態の検証と、SFN指標による層別化が試験設計や治療タイミングの最適化に有用かを検討する。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- IV - 前臨床動物の症例集積に基づくプロテオミクスおよび組織学的解析
- 研究デザイン
- OTHER