中等度〜重度の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者における臨床表現型の違いが腹臥位の換気-血流マッチングに与える影響
総合: 72.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 6
概要
造影EITを用いた前向き登録研究(N=25)で、腹臥位は局在型およびDダイマー低値のARDSでは3時間で、非局在型および高値では6時間でPaO2/FiO2とV/Qマッチングを改善した。肺形態と凝固表現型に基づく腹臥位時間の最適化が示唆される。
主要発見
- PaO2/FiO2は局在型ARDSで3時間、非局在型ARDSで6時間で改善(いずれもp<0.001)。
- V/Qマッチングは局在型で3時間、非局在型で6時間で改善した。
- Dダイマー低値のARDSは3時間で、高値は6時間で酸素化とV/Qの改善を示した。
- ChiCTRに登録された研究(ChiCTR2200055442)で、造影EITによりV/Qを評価した。
臨床的意義
非局在型やDダイマー高値のARDSでは腹臥位時間の延長を検討し、局在型や低値では早期効果が期待できる。肺形態とDダイマーを腹臥位プロトコールとモニタリングに組み込むべきである。
なぜ重要か
ARDSの不均一性に対し、客観的V/Q指標に基づく表現型・バイオマーカー主導の腹臥位タイミング最適化を提示するため。
限界
- 単施設・小規模(N=25)
- 観察研究で因果推論に限界
- 観察期間が初回腹臥位セッションに限定され、生理学的指標以外の臨床転帰が未評価
今後の方向性
EIT由来のV/Q指標と臨床転帰を統合し、表現型に基づく腹臥位時間を検証するランダム化またはプロトコル化試験が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 前向き観察コホートで定義済み表現型間の生理学的反応を評価
- 研究デザイン
- OTHER