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プロトカテキュ酸は非典型プレフォルディンRPB5相互作用因子1(URI1)介在のマイトファジー促進により急性呼吸窮迫症候群の炎症と酸化ストレスを軽減する

Chemical biology & drug design2025-03-05PubMed
総合: 74.5革新性: 9インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 7

概要

LPS誘発の細胞およびマウスARDSモデルで、プロトカテキュ酸は炎症性サイトカイン、酸化ストレス、アポトーシスを抑制し、肺組織像を改善した。機序として、CBX4を介してGCN5をURI1プロモーターへリクルートし、URI1発現を高めてミトコンドリア新生とマイトファジーを促進し、CBX4またはURI1のノックダウンで効果は消失した。

主要発見

  • PCA(HPMECsで300μM、マウスで20–30mg/kg)は炎症性サイトカイン、酸化ストレス、アポトーシスを低減し、肺胞中隔肥厚を改善した。
  • CBX4がPCAの標的として同定され、PCAはGCN5をURI1プロモーターへリクルートして転写を促進した。
  • LPSで低下したCBX4/URI1はPCAで回復し、CBX4またはURI1のノックダウンでPCAの抗炎症・マイトファジー促進効果は消失した。

臨床的意義

前臨床段階ではあるが、CBX4–URI1–マイトファジー経路はARDSのミトコンドリア標的補助療法開発を方向付け得る。患者における経路活性化のバイオマーカー化により、将来の試験での層別化が可能となる。

なぜ重要か

CBX4/URI1依存のマイトファジー経路という創薬可能な標的を提示し、ミトコンドリア標的治療への足掛かりを与える点で重要である。ARDSの生物学を炎症中心からオルガネラ品質管理へ拡張した。

限界

  • LPSモデルはヒトARDSの病因多様性を十分に反映しない可能性がある
  • 臨床移行に必要なサンプルサイズや曝露‐反応の詳細が不明で、ヒトでの検証がない

今後の方向性

ヒトARDSでのCBX4/URI1経路活性の定量、PCAアナログのPK/PD評価、種々の損傷モデルや大型動物での有効性検証を経て初期臨床試験へ進むべきである。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 臨床対象を含まない前臨床のin vitro/in vivo実験研究
研究デザイン
OTHER