ECMO施行患者における腹臥位の有効性と安全性:システマティックレビューとメタアナリシス
総合: 64.0革新性: 6インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 6
概要
VV-ECMO施行ARDS患者の17研究を統合し、腹臥位は30日および入院生存を改善し酸素化やPaCO2を改善したが、60日・90日・ICU生存やECMO離脱には寄与しなかった。早期・頻回の腹臥位は人工呼吸およびICU滞在を短縮し、非COVID群で早期生存の利益がより大きかった。
主要発見
- ECMO+腹臥位は30日生存および入院生存を改善した。
- 60日・90日・ICU生存およびECMO離脱率に有意な差は認めなかった。
- ECMO+腹臥位で酸素化が有意に改善し、PaCO2が低下した。
- 早期・頻回の腹臥位は人工呼吸期間とICU在室日数を短縮し、非COVID群で早期生存の利益が大きかった。
臨床的意義
非COVIDのARDSを中心に、VV-ECMO中の早期・反復的な腹臥位導入により酸素化と早期生存の改善が期待できる一方、長期生存の利益は不確実であることを説明すべきである。
なぜ重要か
ECMO施行中に腹臥位を追加すべきかという臨床的ジレンマに対し、早期生存と生理学的利点を示しつつ長期効果は限定的であることを明確化し、意思決定を支援する。
限界
- 観察研究が主体で残余交絡のリスクがある
- 腹臥位のプロトコール・介入時期・患者集団の異質性
- 出版バイアスの可能性とランダム化試験の不足
今後の方向性
ECMO中の腹臥位の因果効果、至適タイミング/頻度、最大の利益を得るサブグループ同定を目的とした前向きランダム化試験が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 観察研究を対象としたシステマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER