NICU胸部X線における新生児呼吸疾患の深層学習ベース多クラス分類
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8
概要
10施設・計43,338枚のNICU胸部X線と専門医ラベリングで学習したResNet50ベースモデルは、6疾患分類で精度83.96%、F1 83.68%を達成。BPDやエアリーク症候群で良好、TTNでやや低下しつつも、AI支援トリアージ・意思決定の実現可能性を示した。
主要発見
- 新生児科医がラベリングした43,338枚の多施設NICU胸部X線が堅牢な学習・評価を可能にした。
- 6クラスで試験精度83.96%、F1 83.68%;クラス別F1はTTNの70.84%からBPDの92.19%まで幅を示した。
- 修正ResNet50に画像と併せて在胎週数・出生体重などの非画像情報を統合。
臨床的意義
読影の優先順位付けや高リスク例(例:ALS/BPD疑い)のフラグ付け、施設間の解釈標準化に寄与し、治療までの時間短縮が期待される。導入前に前向き検証とドメインシフト評価が必要。
なぜ重要か
多施設・専門医アノテーションの大規模データで多クラス高性能を示し、臨床的緊急性の高い領域で診断ワークフローに影響し得る。AI手法を新生児医療に橋渡しする点で意義が大きい。
限界
- 前向きの臨床インパクト評価を欠く後ろ向き研究
- 装置・施設間一般化とTTNでの相対的低性能が未検証
今後の方向性
多国間前向きインパクト試験、新規スキャナ・施設へのドメイン適応、時系列画像・臨床経過の統合、トリアージ閾値に向けたキャリブレーションが望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- III - 多施設後ろ向きの診断アルゴリズム開発・検証研究(ランダム化介入なし)。
- 研究デザイン
- OTHER