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Cirsium japonicum葉抽出物はNLRP3およびHIF1α経路の抑制を介してLPS誘発性マウス急性呼吸窮迫症候群を軽減した

Phytomedicine : international journal of phytotherapy and phytopharmacology2025-03-11PubMed
総合: 70.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 5

概要

LPS誘発マウスARDSモデルでCirsium japonicum抽出物は組織学的肺障害を軽減し、マクロファージ主導の炎症を抑制しました。機序的には、NLRP3インフラマソームとHIF1α関連の解糖プログラムをin vivoおよびMH-S/BMDMのin vitroで抑え、マクロファージ免疫代謝の標的化が治療戦略となる可能性を示唆します。

主要発見

  • Cirsium japonicum抽出物はLPS誘発ARDS肺における肺胞壁肥厚、炎症細胞浸潤、蛋白性滲出物、硝子様膜形成を低減した。
  • 気管支肺胞洗浄液中の炎症細胞流入と炎症関連遺伝子発現を減少させ、肺胞マクロファージ活性化と好中球走化性浸潤を抑制した。
  • in vivoでNLRP3およびHIF1α発現を抑え、MH-S細胞および骨髄由来マクロファージでインフラマソーム/解糖関連遺伝子のLPS誘導を抑制した。

臨床的意義

前臨床段階ながら、マクロファージ標的の抗炎症戦略の優先性を示し、NLRP3/HIF1α軸を抑制する薬剤開発の動機付けとなります。

なぜ重要か

ARDSマクロファージにおけるインフラマソームと低酸素シグナルの収束点を薬理学的に制御可能と示し、免疫代謝から治療への橋渡しを開く点が重要です。

限界

  • 前臨床のマウスLPSモデルはヒトARDSの多様性を完全には再現しない可能性がある。
  • 有効成分、用量、薬物動態、大動物・ヒトでの安全性が未確立。

今後の方向性

有効成分の同定・特性評価、PK/PDの確立、多菌種性・ウイルス性ARDSや大動物モデルでの検証、早期臨床試験での安全性評価を進めるべきです。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 前臨床の動物モデル研究にin vitro検証を加えたものであり、ヒトの臨床エビデンスではない。
研究デザイン
OTHER