静脈-静脈体外膜型酸素化における低強度対中等度強度の抗凝固療法:パイロット無作為化試験
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
本多施設パイロットRCT(n=26)では、vvECMO中の低強度対中等度強度抗凝固の実施が可能で、プロトコル遵守は100%であった。低強度群は大出血が少ない傾向(8.3%対28.6%)で、血栓塞栓は同程度であり、大規模有効性試験の実施に妥当性を示した。
主要発見
- 実施可能性が確立:3施設で無作為化された26例全員が割付通りの抗凝固強度を受けた。
- 大出血は低強度8.3%対中等度28.6%で低い傾向(検出力不足によりP=0.33)。
- 血栓塞栓は稀で同程度(1例対0例)。院内死亡は低強度0%に対し中等度14.3%(いずれも大出血後)。
臨床的意義
確認試験を待つ段階だが、施設はvvECMO中の出血・血栓リスクのバランスをとるため、低強度抗凝固プロトコルの検討が可能と考えられる。
なぜ重要か
vvECMO管理における重要な課題に取り組み、低強度抗凝固が血栓増加なく出血を減らす可能性のシグナルを示す。
限界
- サンプルサイズが小さく、臨床転帰に対する検出力が不足
- 非盲検デザインで、ECMO運用の違いによる一般化可能性に限界
今後の方向性
大出血・血栓・回路合併症・死亡など臨床転帰を主要評価項目とする十分な検出力の多施設RCTを実施し、抗凝固目標値を確立する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設における無作為化比較パイロット試験
- 研究デザイン
- OTHER