入院治療を要した感染症と15年間の運動器疾患発症:大規模人口ベースコホート研究
総合: 72.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 6
概要
UKバイオバンク50万超で、入院治療を要した感染歴は6種の運動器疾患の発症リスク増加と関連し、骨粗鬆症(HR 1.55)と関節リウマチ(HR 1.53)で最も強かった。細菌・ウイルス感染いずれでも関連は類似し、感染の頻度・重症度で強まり、10年超でも持続した。
主要発見
- 入院治療を要した感染歴は6種すべての運動器疾患リスクを増加させ、骨粗鬆症(HR 1.55)と関節リウマチ(HR 1.53)で最も強かった。
- 細菌・ウイルス感染でリスクは概ね同等で、頻度・重症度が高いほどリスクが増大し、全身性の影響が示唆された。
- ベースライン後5年・10年以内の発症例を除外しても関連は持続し、長期リスクを示した。
臨床的意義
入院治療歴のある感染症患者では、特に反復・重症例で、骨評価や早期リウマチ評価を含む長期的な運動器健康管理が有用となり得る。
なぜ重要か
重症感染と多様な長期運動器転帰の関連を示す人口レベルのエビデンスであり、サーベイランスや予防戦略の設計に資する。
限界
- 観察研究のため残余交絡や感染の重症度・病原体の分類誤差の可能性がある。
- UKバイオバンク以外への一般化に限界があり、外来治療の感染は主要な曝露ではない。
今後の方向性
感染後の免疫‐骨相互作用の機序解明研究や、高リスク感染後集団における骨・リウマチ領域のサーベイランス/予防介入試験が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 傾向スコアマッチングを備えた大規模で良好に設計された前向きコホート解析。
- 研究デザイン
- OTHER