急性呼吸窮迫症候群における吸入鎮静:SESARランダム化臨床試験
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 7
概要
中等度〜重度ARDS成人687例では、セボフルラン鎮静はプロポフォールに比べ、28日までの人工呼吸器非装着日数が少なく(中央値差−2.1[95%CI −3.6〜−0.7])、90日生存率も低かった(47.1%対55.7%、ハザード比1.31)。7日死亡率の増加およびICU非滞在日数の減少も認められた。
主要発見
- セボフルラン群は28日までの人工呼吸器非装着日数が少なかった(中央値差−2.1、95%CI −3.6〜−0.7)。
- 90日生存率はセボフルラン群で低かった(47.1%対55.7%、ハザード比1.31、95%CI 1.05–1.62)。
- セボフルランは7日死亡率を増加させ(19.4%対13.5%、相対リスク1.44、95%CI 1.02–2.03)、ICU非滞在日数を減少させた。
臨床的意義
中等度〜重度ARDSの鎮静にはセボフルランではなくプロポフォールを第一選択とすべきである。揮発性麻酔薬による鎮静を運用している施設は、プロトコルの再評価と厳密な転帰モニタリングが必要である。
なぜ重要か
大規模かつ評価者盲検のRCTとして、ARDS鎮静における吸入セボフルラン使用に疑義を突きつけ、臨床的に重要な有害性を示した決定的エビデンスである。
限界
- 治療担当者には非盲検であり、共介入に影響した可能性
- 吸入鎮静の装置・運用上の制約により一般化可能性が限定されうる
今後の方向性
揮発性麻酔鎮静で転帰が悪化する機序解明、ARDS病因別のサブグループ解析、代替鎮静戦略の試験が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 治療効果に対する最上位のエビデンスを提供するランダム化比較試験。
- 研究デザイン
- OTHER