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インターフェロン調節因子3(IRF3)はマウスのCOVID-19重症度を悪化させる

Critical care explorations2025-03-19PubMed
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

K18-ACE2マウスではIRF3欠損が重症化を抑制し、死亡率と重症度を低下させたが、肺内ウイルス量は不変であった。IRF3はIFN-βと炎症性サイトカインを増強し、重症COVID-19で有害な炎症を担うことが示唆された。

主要発見

  • IRF3欠損K18-ACE2マウスはSARS-CoV-2感染後の死亡率(84.6%対100%)および重症度スコアが低下した。
  • IRF3の有無で肺内ウイルス量は同等であり、重症度はウイルス制御不全では説明できなかった。
  • IRF3は肺のIFN-β産生を増加させ、サイトカインプロファイルを変化させ、有害炎症に関与した。

臨床的意義

IRF3シグナルの抑制やI型IFN投与タイミングの調整は、ウイルス排除を損なわずに重症COVID-19/急性呼吸窮迫症候群の過剰炎症を軽減しうる。

なぜ重要か

ウイルス制御とは独立に重症COVID-19の有害炎症を駆動する因子としてIRF3を同定し、I型IFN経路の治療標的化や投与タイミングの最適化に資する。

限界

  • K18-ACE2モデルはACE2過剰発現などヒト病態を完全には再現しない可能性がある。
  • マウスでの所見はヒト組織・臨床での検証が必要。

今後の方向性

ARDS/COVID前臨床モデルでIRF3/I型IFN経路の調整薬を評価し、患者におけるIRF3活性シグネチャを同定して治療タイミングを最適化する。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - ヒトの無作為化を伴わない制御された機序的動物実験。
研究デザイン
OTHER