ハッカカミツレ(Scutellaria barbata)は好中球介在性炎症反応を抑制することで急性呼吸窮迫症候群を改善する
総合: 65.5革新性: 7インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 5
概要
ヒト好中球とLPS誘発マウスARDSモデルを用い、ハッカカミツレ抽出物が好中球の主要なエフェクター機能とシグナル(Akt/p38、Ca2+)を抑制し、毒性なく肺障害と酸化ストレスを軽減することを示した。ARDSにおける好中球標的の植物薬理学的アプローチを支持する。
主要発見
- SB-EtOHは活性化ヒト好中球の呼吸バースト、脱顆粒、遊走を毒性なく抑制した。
- SB-EtOHは好中球のAktおよびp38のリン酸化を低下させ、細胞内Ca2+動員を抑制した。
- LPS誘発ARDSマウスモデルで、SB-EtOHは肺の好中球浸潤、組織障害、酸化ストレスを減少させた。
臨床的意義
前臨床段階だが、標準化抽出物や有効成分を用いたハッカカミツレ系製剤の併用療法として、ARDSの好中球炎症調節を目指す臨床開発の根拠となる。
なぜ重要か
有効薬が乏しいARDSに対し、機序に基づく好中球標的抗炎症戦略を提示し、細胞実験と動物モデルで検証した点で新規のトランスレーショナルな道筋を示す。
限界
- 複合抽出物であり、有効成分や薬物動態が未同定。
- 前臨床データであり、人での安全性・有効性は未検証。
今後の方向性
有効成分の同定・特性評価、用量反応とPK/PDの確立を行い、好中球優位のARDS表現型を標的とした安全性・実行可能性試験へ展開する。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - ヒト細胞と動物モデルを用いた前臨床の機序研究
- 研究デザイン
- OTHER