敗血症におけるアセトアミノフェンと臨床転帰:Ibuprofen in Sepsis Studyの後ろ向き傾向スコア解析
総合: 63.0革新性: 6インパクト: 7厳密性: 6引用可能性: 7
概要
ISS試験の276例の後ろ向き傾向スコア解析で、早期のアセトアミノフェン曝露は敗血症成人において30日死亡率の低下(HR 0.58; 95%CI 0.40–0.84)と人工呼吸器離脱日数の増加と関連しました。
主要発見
- ISS試験から276例を後ろ向き傾向スコアでマッチング解析した。
- 試験前半2日間のアセトアミノフェン曝露は30日死亡率の低下と関連した(HR 0.58; 95%CI 0.40–0.84)。
- アセトアミノフェン使用は生存かつ人工呼吸器非使用日数の増加と関連した。
臨床的意義
直ちに標準治療を変更するものではありませんが、敗血症でのアセトアミノフェンのランダム化試験の優先実施を支持し、発熱管理が必要な場面での慎重な使用を後押しします。
なぜ重要か
広く利用可能な解熱薬が敗血症転帰を改善し得る可能性を示し、低コストで検証可能な介入シグナルを提供します。
限界
- 後ろ向き観察研究であり残余交絡の可能性がある
- アセトアミノフェンの用量・投与タイミング・適応が無作為化・標準化されていない
今後の方向性
敗血症におけるアセトアミノフェン対標準治療の十分に検出力のあるRCTの実施と、ヘムタンパク質還元に関する機序的バイオマーカーの探索が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- III - RCTデータを用いた後ろ向き傾向スコアマッチング・コホート解析
- 研究デザイン
- OTHER