肺移植後の体外式膜型人工肺(ECMO):ELSOレジストリ解析
総合: 67.0革新性: 6インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7
概要
2010–2022年のELSOレジストリ解析で、肺移植後に24時間超のECMOを受けた成人1,966例のうち、退院生存率は72.3%でした。期間を通じてECMO使用は増加し、生存改善の傾向が示され、調整解析では年次センターボリュームが予測因子として示唆されました。
主要発見
- 肺移植後に24時間超のECMOを受けた1,966例のうち、退院生存率は72.3%でした。
- 2010~2022年でECMOの利用は一貫して増加し、生存改善の傾向がみられました。
- 多変量ロジスティック回帰では、年次センターボリューム(抄録抜粋ではOR 0.97と記載)などのセンターレベル要因が生存の予測因子として示されました。
臨床的意義
熟練センターへの紹介の重要性や肺移植後呼吸不全に対するECMOの期待生存率を示し、資源配分や品質指標設定に示唆を与えます。
なぜ重要か
肺移植後ECMOの大規模・多施設アウトカムを提示し、ボリュームと転帰の関連を示唆することで、プログラム設計やベンチマークに資する情報を提供します。
限界
- 観察レジストリ研究であり、残余交絡や選択バイアスの可能性がある
- 抄録が途中で途切れており、予測因子の全容や効果量が本情報では不明
今後の方向性
センターレベルのベストプラクティスや最小ボリューム基準の検討、詳細な臨床指標やECMO設定情報との連結によるリスクモデルの精緻化が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - レジストリを用いた観察コホートで多変量調整を実施
- 研究デザイン
- OTHER