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肺炎関連中等度〜重症ARDS患者における肥満と短期・長期生存の関連:後ろ向きコホート研究

BMC pulmonary medicine2025-04-04PubMed
総合: 65.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 7

概要

微生物学的に確認された肺炎関連ARDS603例において、肥満(37.6%)は28日死亡率の低下(調整OR 0.55、95%CI 0.33–0.90)と独立して関連したが、90日・1年死亡率とは関連しなかった。傾向スコアマッチでも28日死亡率は低く、連続値としてのBMIも28日予後改善と関連した。

主要発見

  • 603例の肺炎関連ARDSのうち37.6%が肥満で、女性、高血圧、糖尿病、COVID-19肺炎、PaO2/FiO2≤100 mmHgと関連した。
  • 肥満は28日死亡率の低下(調整OR 0.55、95%CI 0.33–0.90、p=0.02)と独立して関連したが、90日・1年死亡率とは関連しなかった。
  • 傾向スコアマッチにより、肥満群の28日死亡率は非肥満群より低かった(15.2%対22%、p=0.04)。
  • 連続値としてのBMIは28日死亡率の低下と関連したが(p=0.038)、90日・1年では関連しなかった。

臨床的意義

ARDS初期死亡リスクにおいて肥満を一律に不利とみなすべきではなく、予後モデルにBMIを組み込むことが考慮される。ただし長期の生存利益は示されず、治療強度の引き下げは避けるべきである。

なぜ重要か

肺炎関連ARDSにおける肥満パラドックスの時間依存性を明確化し、リスク層別化や長期転帰研究の設計に示唆を与える。

限界

  • 後ろ向き解析であり、残余交絡や治療の不均一性の可能性がある。
  • 重症期のBMIは体液状態の影響を受けやすく、身体組成を反映しない。

今後の方向性

多施設での外部検証、身体組成に基づくフェノタイピング、短期利益と長期非有益性の機序解明研究が必要。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
II - 前向きコホートの後ろ向き解析で、多変量調整および傾向スコアマッチを実施。
研究デザイン
OTHER