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薬物乱用は外傷後の転帰にどのような影響を及ぼすか?Trauma Quality Improvement Programによる研究

American journal of surgery2025-04-13PubMed
総合: 61.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 6引用可能性: 7

概要

毒物検査が実施された861,450例の外傷患者で、オピオイドや大麻、アンフェタミン等の陽性は死亡、ICU入室、挿管のオッズ低下と関連し、メタンフェタミン陽性はARDS(急性呼吸窮迫症候群)のオッズ低下と関連しました。交絡の影響が大きく、因果推論を意識した慎重な検証が必要です。

主要発見

  • 861,450例の外傷患者において、大麻、アンフェタミン、コカイン、オピオイド、ベンゾジアゼピンの陽性は死亡オッズの低下と関連しました(すべてP<0.001)。
  • オピオイド、バルビツール酸系、オキシコドン、エクスタシー、メサドンの陽性はICU入室オッズの低下と関連しました。
  • オピオイド、バルビツール酸系、オキシコドン、エクスタシーの陽性は挿管オッズの低下と関連し、メタンフェタミン陽性はARDS(急性呼吸窮迫症候群)オッズの低下と関連しました。

臨床的意義

娯楽的薬物曝露の有益性を推論すべきではありません。むしろ、交絡の可能性を認識し、毒物検査結果を予後モデルやトリアージの共変量として検討することが有用です。

なぜ重要か

前例のない規模と直観に反する関連は、薬物使用と急性外傷アウトカム(ARDSリスクを含む)に関する従来の前提を揺さぶります。

限界

  • 後ろ向きデザインで毒物検査の選択バイアスや未測定交絡(用量、タイミング、多剤使用)の可能性
  • 因果関係は推論できず、曝露の誤分類の可能性が高い

今後の方向性

前向きまたは準実験的研究、傾向スコアや合成コントロールを用いた因果推論、物質によるストレス応答調節の機序研究が必要です。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
III - レジストリデータの後ろ向きコホート解析(多変量調整あり)
研究デザイン
OTHER