小児ECMO施行後24時間以内に開始した経腸栄養が栄養状態と炎症反応に及ぼす影響
総合: 65.5革新性: 7インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 5
概要
小児ECMO47例の前向きコホートで、24時間以内の経腸栄養開始は、遅延開始に比べ、栄養状態の改善、肝同化代謝の促進、炎症マーカーの低下と関連した。ECMO施行中の早期経腸栄養の有用性と実行可能性を支持する結果である。
主要発見
- ECMO施行小児47例のうち51.1%で24時間以内の早期経腸栄養が達成された。
- 早期経腸栄養は栄養状態の改善および肝同化代謝の促進と関連した。
- 遅延開始と比べ、早期開始で炎症反応の低下が認められた。
臨床的意義
臨床的に可能であれば、ECMO開始後24時間以内に経腸栄養を開始し、栄養充足と炎症の抑制を目指すべきである。循環動態の安定性や耐容性を考慮したプロトコール整備が必要。
なぜ重要か
ECMO施行中の極早期経腸栄養が代謝・炎症プロファイルの改善と関連することを小児で前向きに示し、重症呼吸不全の支持療法に資する。
限界
- 単施設・小規模(n=47)。
- 非ランダム化で重症度(PRISM3など)による交絡の可能性。
今後の方向性
ECMO施行中の早期対遅延経腸栄養を比較するランダム化試験、循環動態基準を含む標準化プロトコールの検証、人工呼吸日数・感染・死亡率など臨床転帰の評価が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 前向きコホート研究による中等度の質のエビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER