S100A12阻害はJAK2/STAT3シグナル経路を介してHPMECsのLPS誘発性内皮バリア障害を軽減する
総合: 63.0革新性: 7インパクト: 6厳密性: 6引用可能性: 6
概要
LPSで傷害されたHPMECsではS100A12が上昇し、S100A12阻害によりアポトーシス、炎症、バリア破綻が軽減し、VE-カドヘリン/オクルディンや管形成が回復しました。トランスクリプトームとWestern解析により、JAK2/STAT3経路が主要経路として関与することが示されました。
主要発見
- LPS刺激HPMECsでS100A12発現は有意に上昇した。
- S100A12ノックダウンによりアポトーシス・炎症・内皮バリア障害が軽減し、VE-カドヘリン、オクルディンおよび管形成が回復した。
- トランスクリプトーム解析と検証により、S100A12作用に関与する優位な経路としてJAK2/STAT3シグナルが示唆された。
臨床的意義
前臨床段階ではあるものの、S100A12およびJAK2/STAT3はALI/ARDSにおける内皮バリア保護のバイオマーカー/治療標的となる可能性があります。
なぜ重要か
ALI/ARDSモデルにおける内皮バリア破綻の駆動因子としてS100A12–JAK2/STAT3経路を特定し、血管保護の標的候補を示しました。
限界
- 単一細胞種のin vitroモデルであり、in vivo検証がない
- LPS傷害モデルはARDSの複雑性を十分に再現しない可能性がある
今後の方向性
ALI/ARDS動物モデルでのS100A12標的治療の検証、薬理学的阻害剤とバイオマーカー可能性の評価、JAK2/STAT3調節のin vivo検討が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序解明実験(in vitro)
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 動物・ヒト臨床アウトカムを伴わないin vitro機序研究
- 研究デザイン
- OTHER