メインコンテンツへスキップ

肺炎および急性呼吸窮迫症候群における全身性コルチコステロイドの死亡率と感染症への影響:システマティックレビューとメタアナリシス

Annals of internal medicine2025-12-01PubMed
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8

概要

事前登録されたメタアナリシス(20試験、n=3459)により、低用量・短期間の全身性コルチコステロイド併用は重症肺炎および急性呼吸窮迫症候群で短期死亡率を低下させる可能性が高いことが示されました。重症肺炎では死亡率が有意に低下(RR 0.73, 95% CI 0.57–0.93)。全体として院内感染の増加は明確ではありませんでした。

主要発見

  • 16,831件の記録から抽出された20試験(重症肺炎15、ARDS5)、計3459例が解析対象。
  • 重症肺炎では低用量・短期間のコルチコステロイドが短期死亡率を低下(RR 0.73, 95% CI 0.57–0.93)。
  • 重症肺炎とARDSを通して、コルチコステロイド併用は短期死亡率を低下させ、院内感染への影響は小さい可能性。
  • 重症肺炎で二次性ショックの減少が示唆。

臨床的意義

禁忌がなければ、重症肺炎および急性呼吸窮迫症候群で低用量・短期間のコルチコステロイド併用を検討し、ショックや感染症を監視します。重症度の不均一性があるため、個別化と症例選択が重要です。

なぜ重要か

非COVIDの重症肺炎・急性呼吸窮迫症候群におけるコルチコステロイドの有効性・安全性をRCTのみで明確化し、ガイドラインおよび臨床判断に直結するため重要です。

限界

  • 肺炎の重症度分類が不均一で、サブグループ解析の精度が制限。
  • ARDS試験数(5件)が限られ、ARDSに特化した推定の精度が低下する可能性。

今後の方向性

ARDS特異的RCTで至適用量・期間・対象選択を確立し、重症度定義の標準化、長期転帰およびステロイド関連有害事象の評価を行う。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 無作為化比較試験のメタアナリシス
研究デザイン
OTHER