敗血症関連急性呼吸窮迫症候群におけるICU在室中の血糖軌跡と死亡率の関連
総合: 67.0革新性: 7インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 6
概要
MIMIC-IVを用いた3,869例の敗血症関連急性呼吸窮迫症候群で、7日間の血糖軌跡として低正常(6.1–7.0 mmol/L)、中等(7.8–8.9)、持続高血糖(10.6–13.1)が同定され、持続高血糖は調整後も28日および1年死亡の上昇と関連した。
主要発見
- GBTMで7日間の血糖軌跡を3群に同定:低正常(6.1–7.0 mmol/L;1,523例)、中等(7.8–8.9;1,452例)、持続高血糖(10.6–13.1;894例)
- 持続高血糖の軌跡は、他の低い軌跡に比べ28日および1年死亡率が有意に高かった
- 多変量調整後も関連は持続し、群間で低血糖発生率も評価された
臨床的意義
敗血症関連急性呼吸窮迫症候群では持続的高血糖を回避し、頻回モニタリングと低めの目標域維持(低血糖回避と両立)を図るべきである。本結果は軌跡指向の血糖管理RCT設計に示唆を与える。
なぜ重要か
軌跡に基づく血糖表現型化により、動的な高血糖と死亡率の関連が示され、介入試験の標的設定や個別化血糖管理の優先度付けに資する。
限界
- 後ろ向き単一データベース研究であり、残余交絡や欠測バイアスの可能性
- 血糖管理プロトコルやインスリン投与の不均一性が標準化されていない
今後の方向性
敗血症関連急性呼吸窮迫症候群における軌跡指向の血糖目標を検証する前向き試験と、血糖変動・炎症・肺障害の機序研究が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 大規模ICUデータベースを用いた調整解析を伴う観察コホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER