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ARDS/急性呼吸不全患者における駆動圧制限換気と従来の肺保護換気の比較:ランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス

Critical care (London, England)2025-12-05PubMed
総合: 71.0革新性: 7インパクト: 6厳密性: 8引用可能性: 6

概要

本メタアナリシス(RCTのみ)は、ARDS/急性呼吸不全において駆動圧制限換気が従来の肺保護換気に比べ短期生存率の優越性を示さない一方、ICU在室日数を短縮する可能性を示しました。現時点では従来戦略の継続が妥当であり、DP制限の位置付けと奏効フェノタイプの検討には大規模試験が必要です。

主要発見

  • 4件のRCTを対象としたメタアナリシスで、ARDS/急性呼吸不全におけるDP制限換気は従来の肺保護換気に比べ短期死亡率の改善を示しませんでした。
  • 生存利益はない一方で、DP制限戦略ではICU在室日数が短縮しました。
  • 研究計画はPROSPERO(CRD420251069853)に事前登録され、方法論の透明性が担保されています。

臨床的意義

標準治療としては従来の肺保護換気(低一回換気量、適切なPEEP)を維持し、DPは監視・微調整の指標として用いるに留め、独立した治療戦略としての採用は更なるエビデンス待ちとすべきです。

なぜ重要か

広く議論される代替指標(駆動圧)をRCTエビデンスで統合し、DPを目標化しても現時点で生存利益に結び付いていないことを明確化したため重要です。

限界

  • 対象RCTが4件に限られ、実装プロトコルの不均一性や検出力不足の可能性
  • 一部の副次評価項目やDP標準化手順の報告が不十分な可能性

今後の方向性

DP目標化プロトコルの標準化測定、フェノタイプ選択、患者中心アウトカムを含む大規模実践的RCTの実施が求められます。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - ランダム化比較試験を統合したメタアナリシス(死亡率とICU在室日数を評価)
研究デザイン
OTHER