電気インピーダンストモグラフィーに基づく急性呼吸窮迫症候群患者の腹臥位換気早期反応性予測:前向き研究
総合: 64.0革新性: 7インパクト: 5厳密性: 7引用可能性: 5
概要
中等度〜重度ARDS成人94例中、83%が腹臥位に反応しました。EITで得られる腹臥位前の背側シャント率(ROI3)と高い呼吸器系コンプライアンスが反応者を特徴づけ、PPVの早期ベネフィット予測に有用でした。
主要発見
- ARDS 94例のうち、78例(83%)がPPV反応者、16例(17%)が非反応者でした。
- EITで測定した腹臥位前の背側(ROI3)シャント率がPPV反応性を予測しました。
- 反応者は非反応者に比べ、呼吸器系コンプライアンスが高値でした。
臨床的意義
腹臥位前にEITで背側シャント率を評価し、同率が高くコンプライアンスが良好な患者をPPVの適応として優先することで、選択とタイミングの最適化が期待できます。
なぜ重要か
EITを用いたベッドサイドの生理学的指標により腹臥位反応性を予測し、精密な人工呼吸管理と不要なPPVの回避に資する点で意義があります。
限界
- 単施設研究であり外的妥当性に制限がある
- 一部の数値閾値や交絡因子の報告が不十分な可能性
今後の方向性
EITに基づくシャント指標とカットオフの多施設検証と、EIT主導の腹臥位戦略を検証するランダム化試験が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- III - 腹臥位反応の生理学的予測因子を検討した単施設前向き観察コホート研究
- 研究デザイン
- OTHER