細胞由来細胞外小胞を用いた臨床研究の系統的レビュー:COVID-19および創傷治癒における有効性に焦点を当てて
総合: 68.0革新性: 7インパクト: 5厳密性: 8引用可能性: 5
概要
創傷治癒領域では、MSC-EVの対照試験は存在せず、他細胞由来EVの対照2試験でも明確な有効性は示されず、有効性には不確実性が残ります。投与は概ね忍容性がある一方、有害事象報告が不完全で安全性の確証には至りません。
主要発見
- 25試験中5試験(20%)が創傷治癒であり、MSC-EVの対照試験は存在しませんでした。
- 創傷治癒における非MSC-EVの対照2試験でも明確な有効性は示されませんでした。
- 68%の試験で超遠心法が主要分離法であり、方法論の異質性が示されました。
- 安全性報告が不完全で、リスク評価が制限されました。
臨床的意義
創傷治癒におけるEVの臨床使用は試験外では推奨されず、EVのソース・分離法・用量・評価項目の標準化が臨床実装前提となります。
なぜ重要か
現時点で創傷治癒におけるEVの臨床的有効性が支持されないことを明確化し、トランスレーションを阻む方法論的異質性を浮き彫りにします。
限界
- 創傷治癒におけるMSC-EVの対照試験がなく、試験規模が小さく異質性が大きい。
- アウトカム指標と安全性報告の標準化が不十分。
今後の方向性
EV製造・報告の合意基準を策定し、機序指標と長期追跡を含む無作為化対照試験を創傷治癒で開始すべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - EV臨床試験の系統的統合。創傷治癒では対照MSC-EV試験がなく、確信度は限定的。
- 研究デザイン
- OTHER