急性呼吸窮迫症候群患者に対するアビプタディル療法:システマティックレビューとメタアナリシス
Indian journal of critical care medicine : peer-reviewed, official publication of Indian Society of Critical Care Medicine•2025-12-10•PubMed
総合: 64.0革新性: 6インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 6
概要
9研究(RCT 2件、症例集積7件、計665例)の統合で、アビプタディルは生理学的指標の改善が示唆される一方、生存率の有意な改善は認められませんでした(OR 1.01、95% CI 0.72–1.42)。通常診療での使用を支持する証拠は不十分です。
主要発見
- 合計665例(アビプタディル361例)を含む9研究(RCT 2件、症例集積7件)を対象。
- プラセボ対比の生存オッズ比は1.01(95% CI 0.72–1.42)で、生存利益は示されませんでした。
- RCTにはRoB 2、症例集積にはJBIを用いてバイアス評価を実施し、ランダム効果モデルで統合しました。
- 酸素化などの生理学的改善はあるものの、生存率改善には結び付きませんでした。
臨床的意義
アビプタディルは臨床試験以外での標準使用は控えるべきであり、エビデンスに基づく支持療法と質の高いRCTへの登録を重視すべきです。
なぜ重要か
生存利益がないことを示してアビプタディルへの過度な期待を是正し、資源配分や試験優先度の判断に資する最新総括です。
限界
- RCTが2件に限られ、症例集積への依存により不確実性が高い
- 用量・投与時期・評価項目の不均一性や出版バイアスの可能性
今後の方向性
十分な検出力を持つ多施設RCTで、用量・タイミングの標準化とARDS表現型の層別化を行い、サブグループ効果と患者中心アウトカムを検証すべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験を含むシステマティックレビューとメタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER