侵襲的人工呼吸および体外式膜型人工肺による急性呼吸不全の治療ガイドライン:換気モード選択と設定パラメータに関する最新のエビデンスに基づく推奨
総合: 78.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 8
概要
本ガイドラインは、急性呼吸不全における侵襲的人工呼吸を更新し、中等度〜重度ARDSにおいて早期筋弛緩から早期自発呼吸併用へと方針転換し、適応型換気(ASV/INTELLiVENT-ASV、NAVA)のケースバイケースでの使用を慎重に提案します。肺保護換気(VT約6 mL/kg予測体重、プラトー圧≤30 cmH2O、駆動圧≤14 cmH2O)、中等度/重度での個別化高PEEP、酸素目標(SaO2/SpO2 92–96%またはPaO2 70–90 mmHg)と持続的モニタリングを強調します。
主要発見
- 中等度〜重度ARDSでは早期の筋弛緩は推奨されず、可能な場合は早期の自発呼吸併用が示唆される。
- 適応型換気(ASV/INTELLiVENT-ASV)とNAVAは症例ごとに考慮可能で、PAV/PAV+は推奨されない。
- 肺保護換気目標:VT約6 mL/kg予測体重(4–8の範囲)、プラトー圧≤30 cmH2O、駆動圧≤14 cmH2O。
- 中等度/重度ARDSではPEEPを高め、ベッドサイド生理に基づき個別化すべきである。
- 酸素目標(SaO2/SpO2 92–96%またはPaO2 70–90 mmHg)とカプノグラフィを含む持続モニタリングを推奨する。
臨床的意義
中等度〜重度の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)では適応があれば早期に自発呼吸併用へ移行し、個別化PEEPを含む肺保護換気を堅持し、SaO2/SpO2 92–96%(またはPaO2 70–90 mmHg)を目標とします。適応型換気は選択的に用い、PAV/PAV+は避けます。
なぜ重要か
ICUで直ちに実装可能な換気目標とモード選択の指針を提示し、ARDS診療と研究の優先課題に影響を与える可能性が高いからです。
限界
- 特に適応型換気において異質性が大きく、エビデンス確実性が低い項目がある
- ドイツ語圏医療体制を主対象とするため、一般化可能性に限界がある
今後の方向性
早期自発呼吸併用と制御換気の前向き比較試験、適応型換気の厳密な評価、PEEPや酸素目標の個別化ツールの開発が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 既存臨床エビデンスを体系的GRADE手法で統合したガイドライン派生の総合評価。
- 研究デザイン
- OTHER