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アルゼンチンにおける外傷患者への体外膜型人工肺:合併症、死亡率、長期転帰

ASAIO journal (American Society for Artificial Internal Organs : 1992)2025-12-11PubMed
総合: 61.5革新性: 6インパクト: 7厳密性: 6引用可能性: 6

概要

外傷関連ARDSに対するVV-ECMOの4施設コホート(n=31)では、院内死亡38.7%、出血25.8%、回路血栓22.6%を認めました。長期追跡では生存者の自立(Katz 6)が維持され、一方でISS、APACHE II、RESPの識別能は不良でした。

主要発見

  • VV-ECMOの院内死亡は38.7%、出血25.8%(大出血16.1%)、酸素化器/回路血栓22.6%でした。
  • 既存予後スコアの識別能は低く、AUROCはISS 0.62、APACHE II 0.55、RESP 0.53でした。
  • 生存者の退院後中央値7年追跡では、EQ-5D-3Lの効用中央値0.743、Katz 6で自立維持が示され、痛み/不安の頻度は高い傾向でした。

臨床的意義

外傷ARDSに対するVV-ECMOは自立を保つ生存につながり得ますが、出血や血栓のリスクに留意し、系統的なリハビリと追跡を計画すべきです。症例選択と意思決定支援には外傷特異的予後モデルの整備が必要です。

なぜ重要か

ラテンアメリカ発の希少な多施設データとして長期QOLを含めて提示し、外傷ECMOにおける既存予後ツールの不十分さを明確化しました。

限界

  • 症例数が少なく追跡脱落も大きいため、推定精度と一般化可能性に制約があります。
  • 合併症・死亡の評価が後ろ向きであり、バイアスの可能性があります。

今後の方向性

外傷特異的なECMO予後モデルの開発と、標準化されたリハビリ・長期追跡を含む前向きレジストリの整備が必要です。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
III - 多施設観察コホート(転帰は後ろ向き、QOLは前向き追跡)。
研究デザイン
OTHER