BRISC依存性PPM1B-K63脱ユビキチン化とそれに続くTGF-β経路活性化は高脂肪・高スクロース食による動脈スティフネスを促進する
総合: 85.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
BRISC複合体構成因子ABRO1がYAP依存的にYAP・PPM1Bと液‐液相分離を形成し、PPM1BのK63脱ユビキチン化を促進してTGF-β経路を活性化し、HFHSD下で動脈スティフネスを惹起することを示した。平滑筋特異的PPM1B過剰発現はK326/K63ユビキチン化依存的にスティフネスを抑制し、創薬可能な経路を示唆する。
主要発見
- 平滑筋特異的PPM1B過剰発現は、PPM1B K326/K63多重ユビキチン化依存的にHFHSD誘発の動脈スティフネスを軽減した。
- ABRO1はYAPに直接結合し、YAPおよびPPM1Bと液‐液相分離を形成してPPM1BのK63脱ユビキチン化を促進した。
- PPM1B脱ユビキチン化機構を解明し、HFHSD誘発スティフネスにおけるTGF-β経路活性化を示唆、治療標的候補を提示した。
臨床的意義
ABRO1–YAP–PPM1B–BRISC軸やPPM1BのK63連結ユビキチン化制御を標的化することで、メタボリックシンドロームにおける動脈スティフネス低減の新規治療戦略が期待されます(単なる血圧管理の先へ)。
なぜ重要か
YAP/BRISCとTGF-β媒介の血管スティフネスをつなぐ、LLPS駆動の脱ユビキチン化機構を新規に提示し、メタボ関連血管硬化の新規治療標的を拓くため。
限界
- アブストラクトが部分的に省略されており、前臨床中心である点(ヒトでの検証が未提示)。
- PPM1B脱ユビキチン化からTGF-β活性化・スティフネスに至る因果連鎖のヒトでの臨床的整合性が未解明。
今後の方向性
ヒト組織・バイオマーカーでの検証、BRISC/ABRO1–YAP–PPM1B調節薬の探索、臨床での動脈スティフネス指標に対する効果検証が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理/治療
- エビデンスレベル
- V - in vitro・in vivo統合の機序中心・前臨床研究
- 研究デザイン
- OTHER