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肥大型心筋症診断のための人口統計学的個別化左室肥大閾値

Journal of the American College of Cardiology2025-01-08PubMed
総合: 90.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 9

概要

5万人超のCMRデータに基づくAI解析で、年齢・性別・体表面積に応じたLVH閾値(10–17 mm)が固定15 mmと比べ誤分類と性差・体格差バイアスを大幅に低減することを示した。特に絶対MWTが低めの女性で、標準化指標によりHCMの同定が改善した。

主要発見

  • 個別化閾値(10–17 mm)により、一般集団でのLVH該当率は4.3%から2.2%へ半減し、男性偏重も89%から56%へ改善した。
  • HCM群で15 mm未満の診断例は、女性27%→7%、男性18%→15%へ低下し、個別化の有効性が示された。
  • 女性は絶対MWTが低い一方でMWT zスコアが高く、標準化された個別診断指標の必要性が示唆された。

臨床的意義

人口統計学的に調整したLVH閾値とzスコアの導入により、女性や小柄な患者の過少診断を減らし、遺伝学的検査の適切な選択や疑診HCMのフォロー戦略を最適化できる。

なぜ重要か

従来の15 mm基準を覆し、公平性の高い検証済みの診断枠組みを提示しており、HCM診断基準やガイドラインの改訂に影響しうる。

限界

  • 観察研究であり、個別化閾値導入による臨床アウトカム改善の介入的検証は未実施。
  • 心エコーなど非CMRモダリティへの一般化には追加検証が必要。

今後の方向性

個別化閾値がアウトカムを改善するかの前向き試験、心エコーへの展開、HCM診断ガイドライン改訂に向けた検証が求められる。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
診断
エビデンスレベル
II - 標準化CMRとAI測定を用いた大規模多コホート観察研究。
研究デザイン
OTHER