非症候性上行大動脈の集団ベース前向き5年コホート研究
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
非症候性の住民ベース前向きコホートで、上行大動脈の拡大は極めて緩徐(約0.07–0.13 mm/年)で、AAEは稀(約5年で0.2%)であった。径増加と家族歴が独立予測因子であり、径のみならない個別化追跡間隔の妥当性が支持された。
主要発見
- 上行大動脈の平均拡大は男性0.07 mm/年、女性0.13 mm/年で、初期径が大きくても増速しなかった。
- 全14,962例でAAEは約5年で0.2%と稀で、多くが50 mm未満で発生した。
- 径1 mm増加(HR 1.24)と家族歴(HR 5.43)が独立してAAEリスクを高め、個別化サーベイランスの必要性を裏付けた。
臨床的意義
非症候性成人の多くでは画像フォロー間隔の延長が安全と考えられ、リスク評価は径のみならず拡大速度や家族歴を組み込むべきである。
なぜ重要か
拡大速度とイベント率の実地前向き基準を提供し、過度な頻回サーベイランスの見直しと費用対効果に優れたリスク別フォローアップへ資する。
限界
- 男性が大多数で女性への一般化が限られるため、女性での大規模検証が必要。
- 画像は非造影CTに限定され、生体力学的因子や遺伝修飾因子は評価されていない。
今後の方向性
径・拡大速度・家族歴・臨床因子を統合したリスクツールの開発と検証、および特に女性での前向き追跡間隔試験が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - レジストリ連結アウトカムと連続CT撮像を備えた大規模前向き住民コホート。
- 研究デザイン
- OTHER