急性心筋梗塞後の心筋線維芽細胞活性化:PET/MR研究
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
急性心筋梗塞40例での[68Ga]-FAPI PET/MRにより、線維芽細胞活性は発症1週以内にピーク、梗塞境界を超えて広がり、長期にわたり持続することが示され、その程度は左室リモデリングと関連した。抗線維化治療のターゲット生体指標および治療介入の適時性を示唆する。
主要発見
- 線維芽細胞活性は発症1週以内にピークに達し、梗塞部を越えて分布した。
- 活性は緩徐に低下するものの数年持続し、リモデリングの長期的生物学を示した。
- FAPIシグナル高値は将来の左室リモデリングと関連し、予後予測・治療介入時期の指標となりうる。
臨床的意義
FAPI PET/MRは梗塞亜急性期における不良リモデリング予測と抗線維化治療の開始・モニタリングに役立ちうる。
なぜ重要か
心筋梗塞後の線維芽細胞活性の時空間ダイナミクスを初めて体系的に可視化し、リモデリングと結びつく機序的画像バイオマーカーを提示、抗線維化治療の精密なタイミング設定に資する。
限界
- 単施設・症例数が比較的少なく(n=40)、一般化とアウトカム解析の統計力に制限。
- 放射性トレーサーの入手性・標準化が広範な臨床実装の障壁となり得る。
今後の方向性
予後カットオフの多施設検証、ピーク活性に合わせた抗線維化治療の介入試験、費用対効果と臨床有用性の評価が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- II - 心筋梗塞後に[68Ga]-FAPI PET/MRで縦断評価を行った前向き画像コホート。
- 研究デザイン
- OTHER