臨床現場におけるFFRとNHPRの不一致病変の頻度と転帰:J-PRIDEレジストリ
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
4304病変中、FFRとNHPRの不一致は20%に認められた。見送りとなった不一致病変の1年標的血管不全は一致陰性病変より高率で、とくにFFR+/NHPR−病変では薬物療法に比べて血行再建の方が有益であり、不一致時はFFRに基づく意思決定を支持する結果であった。
主要発見
- FFR–NHPRの不一致は20%(FFR+/NHPR− 11.2%、FFR−/NHPR+ 8.8%)に発生。
- 見送り不一致病変の1年標的血管不全は一致陰性より高率(7.9%および5.5%対1.7%)。
- FFR+/NHPR−病変のみが薬物治療に比べ血行再建の利益を示した。
臨床的意義
FFRとNHPRが不一致の場合、FFR陽性/NHPR陰性病変では血行再建を検討し、安易な見送りを避ける。一致陰性病変の見送りは概ね安全である。
なぜ重要か
生理学的指標の不一致という臨床的ジレンマに対し、FFR優先の実践的指針を与える前向き実臨床エビデンスであり、意思決定に直結する。
限界
- 観察研究であり、見送り判断に伴う残余交絡や選択バイアスの可能性
- NHPRの種類や施設慣行により一般化可能性が異なる可能性
今後の方向性
不一致病変におけるFFR対NHPR指標に基づく戦略のランダム化比較試験や、NHPRモダリティ間での標準化プロトコールの構築が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - 前向き多施設レジストリによる調整解析を伴う観察エビデンス
- 研究デザイン
- OTHER