L型カルシウムチャネルの薬理学的または遺伝学的阻害はカルシニューリン活性の抑制を介して心筋細胞増殖を促進する
総合: 84.5革新性: 9インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 8
概要
ニフェジピンなどの薬理学的LTCC阻害やRRAD過剰発現により、カルシニューリン調節を介して心筋細胞の細胞周期再突入が誘導されました。RRADとCDK4/CCNDの併用は増殖を一層高め、in vivoで心筋梗塞後の機能改善と瘢痕縮小を示しました。
主要発見
- hESC由来心筋オルガノイドでは、カルシウム循環関連標的の中でLTCC阻害のみが心筋細胞の細胞周期活性化を誘導した。
- RRAD過剰発現はin vitro、ヒト心筋切片、in vivoで心筋細胞の細胞周期活性化を誘導した。
- LTCC阻害(RRADまたはニフェジピン)はカルシニューリン調節を介して増殖を促進した。
- RRAD/CDK4/CCND併用発現は心筋細胞増殖を高め、in vivoで心筋梗塞後の心機能改善と瘢痕縮小を示した。
臨床的意義
LTCC阻害薬の再定位や至適投与タイミング、RRAD/CDK4/CCNDの遺伝子アプローチにより、心筋梗塞後の修復促進が期待されます(安全性・不整脈リスクの検証が前提)。
なぜ重要か
薬剤介入可能なカルシウムシグナル経路で心筋細胞増殖を誘導することを多系統で実証し、心臓再生の実用化に道を開く成果です。
限界
- 前臨床段階のエビデンスであり、長期安全性・催不整脈性・オフターゲット影響は未解明
- 再生目的でのLTCC阻害の用量・タイミングなどの臨床的至適条件は未確立
今後の方向性
LTCC調節の安全な治療域の確立、不整脈リスク評価、大動物・早期臨床試験でのRRAD/カルシニューリン経路の検証が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 前臨床の実験的機序研究(in vitro、ヒト組織ex vivo、in vivoモデル)
- 研究デザイン
- OTHER