HFmrEF/HFpEFにおけるフィネレノン投与初期のGFR低下:FINEARTS-HF事前規定解析
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
ベースラインと1か月のeGFRが得られた5,587例のうち、≥15%低下は全体の18.2%(フィネレノン23.0%、プラセボ13.4%)に発生。初期eGFR低下はプラセボ群では予後不良(調整率比1.50)だが、フィネレノン群では関連せず(1.07)。初期腎機能低下があってもフィネレノン継続を支持する結果。
主要発見
- 1か月時点のeGFR≥15%低下はフィネレノン23.0%、プラセボ13.4%(OR 1.95, 95%CI 1.69–2.24)。
- 初期eGFR低下はプラセボ群で主要転帰悪化と関連(調整率比1.50, 95%CI 1.20–1.89)。
- フィネレノン群ではこの関連は消失(調整率比1.07, 95%CI 0.84–1.35)。
臨床的意義
HFmrEF/HFpEFにおけるフィネレノンでは初期の軽度eGFR低下を想定し、他の安全性懸念がなければ安易に中止すべきではない。適切なモニタリングと説明が重要である。
なぜ重要か
eGFR低下でMRAを中止すべきかという臨床的ジレンマに対し、フィネレノンの早期低下は有害でないことを無作為化試験データで示した。
限界
- 評価は1か月のeGFR変化に限定され、長期腎機能推移は抄録からは不明
- eGFR低下の機序は直接検討されていない
今後の方向性
安全に継続するためのしきい値やモニタリング手順を明確化し、左室駆出率全域や多様なCKD表現型で同様のパターンを検証する必要がある。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験(事前規定二次解析)
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化プラセボ対照試験に基づく解析
- 研究デザイン
- OTHER