心不全(HFrEF)の右室機能障害バイオマーカー:組織プロテオミクスから同定された線維性外膜蛋白FibromodulinとFibulin-5
総合: 77.5革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8
概要
心筋プロテオミクスによりRVDで上昇するFMODとFBLN5が同定され、血中濃度は多様な評価法での右室機能および予後と関連しました。左室機能や全身併存症とは関連せず、右室特異的なシグナルとしての有用性が示唆されます。
主要発見
- プロテオミクス(RVD/非RVD各n=10)でRVDにおける上昇ECM蛋白としてFMODとFBLN5を同定。
- 検証コホート(n=232)で、血中FMOD/FBLN5は評価法を問わず右室機能と独立に関連。
- 左室機能、心拍出係数、BMI、糖尿病、腎機能とは関連せず、右室特異性を支持。
- 血中FMOD/FBLN5濃度は患者の転帰とも有意に関連。
臨床的意義
FMODおよびFBLN5はHFrEFの右室志向のリスク層別化に有用となる可能性があり、左室中心の指標を補完し得ます。日常診療導入には検証と測定法の標準化が必要です。
なぜ重要か
HFrEFで未充足のニーズである右室機能障害の循環バイオマーカー候補を機序に根ざして提示し、リスク層別化や臨床判断の改善に資する可能性があります。
限界
- 発見段階のサンプル(移植心)が少数で、検証は観察研究で因果推論に制約
- 多様な集団での外部検証と測定系の標準化が実装前に必要
今後の方向性
前向き多施設検証、カットオフ設定、画像・血行動態に対する増分予後価値の評価、FMOD/FBLN5経路の治療標的化の探索が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - プロテオミクス発見と独立コホート検証を伴うトランスレーショナルなコホート研究
- 研究デザイン
- OTHER