男女における飲酒と心不全発症
総合: 78.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9
概要
UK Biobankの407,014人を中央値12年間追跡した結果、飲酒と心不全発症はJ字型の関係を示し、男性では約14単位/週、女性では約7単位/週で最もリスクが低下しました。一方、ビールは特に女性で心不全リスクの上昇と関連しました。
主要発見
- 総飲酒量と心不全発症は男女ともJ字型の関係を示した
- 男性約14単位/週・女性約7単位/週でリスク最小
- ビール摂取は特に女性で心不全リスクを上昇(7–14単位/週で29%増)
臨床的意義
低〜中等度飲酒の心血管保護的関連は用量・性別に依存し、ビールは特に女性で心不全リスクを高め得ることを患者に助言すべきです。個々の心血管リスクと飲酒パターンを踏まえ、共同意思決定を行います。
なぜ重要か
本研究は、性差および飲料種類別の心不全リスク推定を高品質データで示し、飲酒に関する公衆衛生・臨床指針の精緻化に資するため重要です。
限界
- 観察研究であり残余交絡・自己申告による飲酒量の誤差が残る
- 飲料選好は未測定の生活習慣・社会経済要因を反映する可能性
今後の方向性
飲料別・性差効果の機序解明、遺伝的・代謝性サブグループでのリスクパターン差異の検証により、予防の個別化を進める。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- II - 多変量調整を伴う大規模前向きコホート研究
- 研究デザイン
- OTHER