潜在性心房細動かつ脳卒中/一過性脳虚血発作の既往を有する患者に対する脳卒中予防としてのアピキサバン対アスピリン:ARTESiA無作為化比較試験のサブグループ解析
総合: 85.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9
概要
ARTESiAの事前規定サブグループ解析では、デバイス検出の潜在性心房細動かつ脳卒中/TIA既往のある患者において、アピキサバンはアスピリンに比べ3.5年で脳卒中・全身塞栓を7%絶対減少させ、一方で主要出血は3%絶対増加した。既往がない患者では便益は1%にとどまった。
主要発見
- 脳卒中/TIA既往のあるSCAF患者(n=346)では、アピキサバンはアスピリンに比べ脳卒中・全身塞栓を減少(HR 0.40;年率1.20%対3.14%)。
- 3.5年での絶対リスク減少は既往ありで7%、既往なしで1%。
- 主要出血はアピキサバンで増加し、3.5年での絶対増加は既往あり3%、既往なし1%。
臨床的意義
デバイス検出の潜在性心房細動で脳卒中/TIA既往がある患者では、出血リスク評価と共有意思決定を踏まえ、二次予防としてアピキサバンの投与を検討すべきです。
なぜ重要か
高リスクの潜在性心房細動における抗凝固の適応という未確立領域にランダム化試験の根拠を与え、脳卒中/TIA後の二次予防としてアピキサバンを支持する点で重要です。
限界
- 事前規定とはいえサブグループ解析であり、検出力と一般化可能性に限界がある
- 主要出血の増加がみられ、患者選択とリスク・ベネフィットの丁寧な議論が必要
今後の方向性
抗凝固の純便益が最大化されるSCAF負荷や臨床プロファイルの閾値を同定し、DOAC間の比較有効性やバイオマーカー/画像指標による選択最適化を検討する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験(事前規定サブグループ解析)
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 無作為化二重盲検二重ダミー試験のサブグループ解析
- 研究デザイン
- OTHER