中等度冠狭窄患者における冠動脈造影由来微小循環抵抗指数の予後予測価値
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
中等度狭窄を有するFLAVOUR試験1,658例で、angio-IMR >25はPCI群(35.1%対7.2%)、非PCI群(18.0%対4.2%)の双方で2年POCOの大幅増加と関連し、調整後も独立予測因子であった。angio-IMRの追加は、血管造影モデルおよび臨床モデルに対する予測能・再分類能を有意に向上させた。
主要発見
- angio-IMR >25は、PCI群(35.06%対7.2%;P<0.001)と非PCI群(17.95%対4.23%;P<0.001)の双方で2年POCOの上昇と関連した。
- angio-IMR >25は調整後もPOCOの独立予測因子であった(PCI群HR 6.235[95%CI 3.811-10.203]、非PCI群HR 5.282[95%CI 2.948-9.462])。
- angio-IMRの追加により予後予測能が改善した(例:血管造影モデルのC-index 0.710対0.615、NRI 0.268、IDI 0.055;いずれもP<0.001)。
臨床的意義
angio-IMRはカテ室ワークフローに組み込みやすく、PCIの有無にかかわらず高リスクな中等度病変を同定でき、強化薬物療法・厳密なフォローアップ・追加の生理学的評価の判断に資する。
なぜ重要か
解剖学情報を超えてリスク層別化を洗練する、造影ベースの微小循環指標を提供し、C-index・NRI・IDIの定量的改善を明確に示した。
限界
- 事後解析であるため残余交絡の可能性や因果推論の制約がある。
- angio-IMRの閾値(>25)の妥当性と一般化には外部検証と標準化が必要。
今後の方向性
angio-IMR閾値の前向き検証、FFR/iFRや画像診断との統合、angio-IMR指標に基づく介入戦略を検証する試験が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 無作為化試験データに基づく多変量調整を備えた良好なコホート解析。
- 研究デザイン
- OTHER