急性心筋梗塞患者における非責任病変の長期予後:血管造影狭窄度か高リスク形態(TCFA)か?
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
3血管OCTを施行した1,312例・中央値4.1年追跡で、非責任病変の再発MACEは血管造影狭窄度ではなくTCFAが独立予測因子であった。非責任狭窄やTCFAの数が増えるほどイベント率は上昇した。
主要発見
- 1,312例で、OCTで定義したTCFAは再発MACEの独立予測因子であり、狭窄度は同時投入時に独立性を失った。
- 非責任狭窄病変はTCFAの有病率が高く、病変レベルのTCFAのHRは2.39(95%CI 1.29–4.43)。
- 非責任セグメントにおける狭窄やTCFAの数が増えるにつれ、イベント率は上昇した。
臨床的意義
心筋梗塞後のリスク層別化にOCTなどの形態学的評価を組み込み、血管造影狭窄度のみでなく、予防治療強化やフォローアップ計画に反映させることが望まれる。
なぜ重要か
狭窄度中心のリスク評価に一石を投じ、高リスクプラーク形態に基づく戦略や二次予防の強化を裏付ける重要な知見である。
限界
- 観察研究であり、TCFA所見に基づく介入のランダム化比較は未実施
- 選択バイアスや施設間の画像プロトコール差の可能性
今後の方向性
形態学的所見に基づく治療強化・非責任病変介入のランダム化試験、非侵襲的プラーク画像や炎症バイオマーカーとの統合が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 侵襲的画像評価と長期追跡を伴う前向きコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER