循環RNAは血管細胞分化に伴い増加し、血管疾患のバイオマー ク となる
総合: 77.5革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8
概要
iPSC分化の連日RNA解析で、MYC低下とスプライシング因子抑制に連動したcircRNAの全体的増加が確認された。一方、患者では特定のcircRNAが動脈硬化組織・PBMCで低下し、COL4A1/2・HSPG2・YPEL2由来circRNAパネルが組織AUC0.79、血液AUC0.73で疾患を鑑別した。
主要発見
- EC・SMC成熟でcircRNAが全体的に増加し、397/214種が2倍超上昇(補正P<0.05)。
- 成熟に伴うMYC低下とスプライシング因子(SRSF1・SRSF2等)の抑制がcircRNA変動と連動。
- 患者ではcircRNAが動脈硬化組織とPBMCで低下し、COL4A1/2・HSPG2・YPEL2由来パネルが疾患を鑑別(組織AUC0.79、PBMC AUC0.73)。
臨床的意義
circRNAパネルは、動脈硬化の非侵襲的診断・リスク層別化検査へ発展し得る。測定法の標準化と前向き検証が必要である。
なぜ重要か
発生過程のcircRNA動態を疾患シグネチャーに結び付け、組織・血液で適用可能な最小限のcircRNAパネルを提示した点が実用的である。
限界
- 臨床検証コホートと転帰評価が限定的で、前向き予後評価がない
- MYCやスプライシング変化とcircRNA生合成の因果性はin vivoで未証明
今後の方向性
circRNAパネルの多施設前向き検証、アッセイ標準化、circRNA生合成と血管リモデリング・転帰を結ぶin vivo機序研究。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - 非ランダム化の症例対照/機序的バイオマーカー探索(患者検体)
- 研究デザイン
- OTHER