メインコンテンツへスキップ

循環RNAは血管細胞分化に伴い増加し、血管疾患のバイオマー ク となる

Cardiovascular research2025-02-04PubMed
総合: 77.5革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

iPSC分化の連日RNA解析で、MYC低下とスプライシング因子抑制に連動したcircRNAの全体的増加が確認された。一方、患者では特定のcircRNAが動脈硬化組織・PBMCで低下し、COL4A1/2・HSPG2・YPEL2由来circRNAパネルが組織AUC0.79、血液AUC0.73で疾患を鑑別した。

主要発見

  • EC・SMC成熟でcircRNAが全体的に増加し、397/214種が2倍超上昇(補正P<0.05)。
  • 成熟に伴うMYC低下とスプライシング因子(SRSF1・SRSF2等)の抑制がcircRNA変動と連動。
  • 患者ではcircRNAが動脈硬化組織とPBMCで低下し、COL4A1/2・HSPG2・YPEL2由来パネルが疾患を鑑別(組織AUC0.79、PBMC AUC0.73)。

臨床的意義

circRNAパネルは、動脈硬化の非侵襲的診断・リスク層別化検査へ発展し得る。測定法の標準化と前向き検証が必要である。

なぜ重要か

発生過程のcircRNA動態を疾患シグネチャーに結び付け、組織・血液で適用可能な最小限のcircRNAパネルを提示した点が実用的である。

限界

  • 臨床検証コホートと転帰評価が限定的で、前向き予後評価がない
  • MYCやスプライシング変化とcircRNA生合成の因果性はin vivoで未証明

今後の方向性

circRNAパネルの多施設前向き検証、アッセイ標準化、circRNA生合成と血管リモデリング・転帰を結ぶin vivo機序研究。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
III - 非ランダム化の症例対照/機序的バイオマーカー探索(患者検体)
研究デザイン
OTHER