減塩代替(塩化カリウム含有)と脳卒中再発および死亡:ランダム化臨床試験
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
SSaSSクラスターRCTの事前規定サブグループ(脳卒中既往15,249例)では、NaCl 75%/KCl 25%の塩代替により中央値61.2か月で再発脳卒中(RR0.86)と全死亡(RR0.88)が低下し、収縮期血圧差は−2.05mmHgで高カリウム血症の増加は認めなかった。出血性脳卒中および脳卒中関連死亡で効果が大きかった。
主要発見
- 減塩代替で再発脳卒中が低下(RR0.86[95%CI 0.77–0.95]、P=.005)。
- 全死亡も低下(RR0.88[95%CI 0.82–0.96]、P=.003)。脳卒中関連死亡で効果が大きい。
- 高カリウム血症の増加なし(RR1.01[95%CI 0.74–1.38]、P=.96)。収縮期血圧は−2.05mmHg低下。
臨床的意義
脳卒中後の二次予防としてカリウム配合の減塩代替を適切な患者に勧め、慢性腎臓病やRAAS阻害薬内服患者では血清カリウムをモニタリングする。
なぜ重要か
大規模な高リスク集団で再発脳卒中と死亡を減少させる低コストで拡張可能な食事介入を示し、直接的な臨床アウトカムで集団レベルの減塩政策を裏付ける。
限界
- オープンラベルのクラスター設計により行動変容の波及や測定バイアスの可能性
- 大規模試験内のサブグループ解析であり、中国農村以外への一般化に注意が必要
今後の方向性
多様な医療体制での実装研究、CKDにおけるカリウム安全性の精査、スケールアップの費用対効果評価が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 長期追跡を伴うクラスターランダム化臨床試験の事前規定サブグループ解析
- 研究デザイン
- OTHER