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現代的ホルモン避妊薬における脳梗塞および心筋梗塞リスク:実世界の全国前向きコホート研究

BMJ (Clinical research ed.)2025-02-13PubMed
総合: 80.0革新性: 7インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 9

概要

デンマーク全国コホート(202万人)では、経口配合避妊薬が虚血性脳卒中と心筋梗塞のリスクを約2倍に上げ、黄体ホルモン単独薬も軽度上昇しました。一方、レボノルゲストレル放出IUDでは動脈リスクの増加は認められませんでした。絶対リスクは低いものの、リスク・ベネフィット説明に有用です。

主要発見

  • 配合経口避妊薬は非使用に比べ虚血性脳卒中・心筋梗塞の調整発生率比を約2倍に上昇。
  • 黄体ホルモン単独薬はリスクを軽度上昇(脳卒中1.6、心筋梗塞1.5)。
  • レボノルゲストレル放出IUDは脳卒中・心筋梗塞ともリスク増加なし(各1.1)。

臨床的意義

動脈リスク最小化が重要な患者ではレボノルゲストレルIUDを優先し、配合経口薬・黄体ホルモン単独薬では小さいながら臨床的に意味のある動脈リスク上昇を、血管リスクのある患者に特に説明すべきです。

なぜ重要か

現代的避妊法における動脈血栓リスクを方法別に定量化した最大規模の実世界研究であり、過剰リスクのない手段(レボノルゲストレルIUD)を特定した点で重要です。

限界

  • 観察研究であり喫煙や血圧など残余交絡の可能性。
  • デンマーク以外での一般化に限界があり、絶対リスクは低い。

今後の方向性

血管リスクを統合した個別化避妊リスク計算の開発、プロゲスチン種別の動脈影響機序の解明、多様な人種集団での検証が望まれます。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予防/予後
エビデンスレベル
II - 大規模前向き全国コホートによる調整解析
研究デザイン
OTHER