同化アンドロゲンステロイド使用者における心血管疾患
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
年齢・性別マッチ全国コホートで、AAS使用者は約11年の追跡期間中、心筋梗塞、再血行再建、静脈血栓塞栓症、不整脈、心筋症(aHR約9)、心不全のリスクが顕著に高値でした。AAS使用の心血管負担を定量化した重要な知見です。
主要発見
- AAS使用者は急性心筋梗塞リスクが3倍(aHR 3.00)、再血行再建必要性も約3倍(aHR 2.95)。
- 心筋症リスクは著明に上昇(aHR 8.90)し、心不全(3.63)や不整脈(2.26)も増加。
- 静脈血栓塞栓症リスクも上昇(2.42)し、全身性の血栓炎症影響が示唆される。
臨床的意義
若年~中年男性の心筋症、不整脈、早発性動脈硬化性疾患ではAAS使用の聴取と中止支援、心機能の厳密なモニタリングが推奨されます。
なぜ重要か
AAS使用が主要心血管アウトカム全般のリスク増加と関連することを集団レベルで示し、公衆衛生・スポーツ医学・臨床スクリーニングに資する決定的な証拠です。
限界
- 対象が制裁歴のある使用者に限られ、用量・期間など曝露の誤分類の可能性。
- 残余交絡を排除できず、脳卒中・心停止は検出力不足。
今後の方向性
AAS心毒性の機序・用量反応・可逆性の前向き研究、CVD負担軽減に向けたスクリーニングと中止介入の評価が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後/予防
- エビデンスレベル
- II - 全国マッチドコホートによる調整済みハザード比と転帰評価
- 研究デザイン
- OTHER