持続性心房細動に対する個別化治療のための人工知能:ランダム化比較試験
総合: 87.0革新性: 8インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 9
概要
多施設二重盲検RCT(n=370)にて、PVIにAI誘導の時空間分散領域標的化を追加すると、単回手技後12か月のAF非再発率がPVI単独より高い結果(88%対70%)となり、安全性は同等だが手技時間は延長しました。一方、あらゆる心房性不整脈の自由度は差がなく、術後に器質化心房頻拍が生じ得ることが示唆されました。
主要発見
- AI誘導の個別化アブレーション+PVIは、12か月のAF非再発率がPVI単独(70%)に比べ88%と優越性を示した(ログランクP<0.0001)。
- 単回手技後の「あらゆる心房性不整脈」自由度には差がなく、術後に器質化心房頻拍の発生が示唆された。
- 安全性は同等だが、手技時間・アブレーション時間はAI併用群で約2倍に延長した。
臨床的意義
経験豊富な施設では、PVIにAI誘導の分散マッピングを併用する戦略が選択肢となり得ます。AF非再発率の向上と手技時間の延長を勘案し、術後の器質化心房頻拍発生への備えが必要です。
なぜ重要か
AI誘導の基質マッピングが標準PVIを上回る有効性を示した高品質のエビデンスであり、持続性AFのアブレーション戦略を再定義し得ます。
限界
- 単回手技・12か月追跡のため、長期持続性や再手技の影響は未評価
- AI群で手技時間が延長し、あらゆる心房性不整脈の自由度に差がなかった
今後の方向性
長期持続性、器質化心房頻拍への影響、費用対効果、多施設・術者間での一般化可能性の評価、および他のマッピング法との統合が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設二重盲検ランダム化比較試験で事前規定の評価項目を設定
- 研究デザイン
- OTHER