外科的大動脈弁置換後の人工弁‐患者不適合と長期予後における性差
総合: 81.5革新性: 8インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 8
概要
7,319例の外科的AVR(追跡中央値12.6年)において、PPMは女性で多く(31.9% vs 19.7%)、全死亡(HR 1.30)と心血管死亡(HR 1.39)の上昇と関連しました。包括的調整後、VARC-3のPPMは女性でのみ独立して予後と関連し、スプライン由来の性別EOAi閾値では両性で予後と関連しました。
主要発見
- PPMは女性で高頻度(31.9% vs 19.7%;P<0.0001)。重症PPMは稀だが女性で多い(2.4% vs 0.6%)。
- PPMは全死亡(HR 1.30[95%CI 1.20–1.40])と心血管死亡(HR 1.39[95%CI 1.23–1.57])の上昇と関連。
- 多変量調整後、VARC-3によるPPMは女性でのみ独立して予後と関連。
- スプライン由来の性別EOAi閾値では両性でPPMと予後が関連し、男性ではより高い閾値が必要な可能性。
臨床的意義
外科医はPPMリスク低減のため、特に女性で性別EOAi閾値を考慮すべきです。術前計画と弁選択を見直し、有効弁口面積の最適化によって成績向上が期待されます。
なぜ重要か
性別ごとのEOAi閾値によるPPM定義の妥当性を示し、AVR後の長期リスク層別化・弁サイズ選択やガイドライン基準の見直しに寄与します。
限界
- 観察研究であり残余交絡の可能性を否定できない。
- 単一地域の医療システムでの研究であり、外的妥当性の検証が必要。
今後の方向性
性別EOAi閾値の多様な集団での外部検証と手術計画ツールへの統合が必要。再手術・症状・QOLへの影響も評価すべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 長期予後を伴う大規模観察コホートによる予後のエビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER