カテーテルアブレーション時の左室到達法による脳病変減少効果:無作為化試験
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
多施設RCTにおいて、VTアブレーション時の左室到達法として経中隔アプローチは、経大動脈に比べMRI検出の急性脳病変を低減(28% vs 45%)し、安全性や手技成功は同等であった。塞栓性障害の軽減を目的として経中隔アプローチを選好する根拠を提供する。
主要発見
- 主要評価:MRIでの急性脳病変は、経中隔69例中28例(28%)、経大動脈62例中28例(45%)。
- 経中隔アプローチで手技成功や安全性は低下せず、6か月の神経認知評価も有害性を示さなかった。
- 動脈系操作に起因する塞栓病態を支持し、左室到達を要する他手技にも示唆が及ぶ。
臨床的意義
左室VTアブレーションでは、術者の熟練と器材が整えば、無症候性脳塞栓病変リスク低減のために経中隔アプローチを優先的に検討すべきである。適切な解剖学症例での標準戦略の見直しが示唆される。
なぜ重要か
ランダム化設計と客観的MRI評価により、頻用される電気生理手技の到達法選択に即時的な示唆を与える。全身塞栓リスク軽減への波及も期待できる。
限界
- 主要評価が臨床イベントではなく代替指標(MRI病変)であり、症例数も中等度
- 経中隔左室到達の熟練度・施設経験に依存しうる一般化可能性の制約
今後の方向性
臨床神経学的イベントに十分な検出力を持つ大規模実臨床試験、塞栓防止デバイス併用の評価、経中隔到達の普及に向けた費用対効果・トレーニング体系の検討。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 画像主要評価項目を用いた多施設ランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER